協調性育むアクティビティ集

オンラインで心理的安全性を育む 短時間でできる「共通点探し」ワーク

Tags: 共通点探し, 心理的安全性, リモートワーク, チームビルディング, アイスブレイク, コミュニケーション

はじめに

リモートワークが普及し、IT企業における開発チームでは、メンバー間のコミュニケーションの質や心理的安全性の確保が喫緊の課題となっています。対面での偶発的な会話が減少する中で、意図的に交流の機会を創出し、チームの一体感を高める取り組みが求められています。

本記事では、日常業務の合間や短時間で手軽に実施でき、メンバー間の親近感を深め、結果として心理的安全性の向上に寄与する「共通点探し」ワークについて、その具体的な実施方法とファシリテーションのポイントを解説します。

共通点探しワークとは

共通点探しワークは、チームメンバーが互いの意外な一面や共通の興味・関心事を発見することを目的にしたアクティビティです。参加者は与えられた時間内に、指定されたテーマや自由なテーマのもとで、他のメンバーとの共通点を見つけ出します。

目的と期待される効果

このワークを通じて、以下のような効果が期待されます。

推奨される人数、時間、必要な準備物

具体的な実施方法(オンライン対応)

1. ワークの目的とルールの説明(5分)

会議の冒頭で、ファシリテーターがワークの目的(例:相互理解の促進、心理的安全性の向上)とルールを簡潔に説明します。 * テーマの提示: 特定のテーマ(例:「最近ハマっていること」「学生時代の意外な経験」「休日の過ごし方」など)を設定するか、自由に共通点を見つけるかを伝えます。初めての場合は、具体的なテーマを設定することをお勧めします。 * 共通点探し: 各グループ内でメンバーが自己紹介を軽く行い、共通点を見つけるよう促します。表面的な共通点(例:出身地が同じ)だけでなく、趣味、価値観、考え方など、より深い共通点を探すことを推奨します。 * 見つける数: 各グループで最低3つ以上の共通点を見つけることを目標とします。 * 発表: 制限時間後に、各グループが見つけた共通点を全体に発表する時間を設けます。

2. グループでの共通点探し(5分〜10分)

オンライン会議ツールのブレイクアウトルーム機能を使用して、参加者を3人から5人程度のグループに分けます。各グループは与えられた時間内で、共通点を探します。 * アイスブレイク: 最初は簡単な自己紹介から始め、リラックスした雰囲気を作ります。 * 対話の促進: メンバー全員が均等に話す機会を持てるよう、ファシリテーターはグループ内で発言を促すような声かけをすると良いでしょう。(例:「〇〇さんの休日の過ごし方、気になりますね」「共通点を見つけたら、ぜひ共有ドキュメントに書き出してみてください」) * 共有ツールの活用: MiroやGoogle Docsのような共有ホワイトボード、またはシンプルなチャット機能を使って、見つけた共通点をリアルタイムで記録・共有すると、後で全体発表する際に役立ちます。

3. 全体での共有と振り返り(5分)

ブレイクアウトルームを閉じ、全体セッションに戻ります。各グループの代表者が、見つけた共通点を全体に発表します。 * 発表: 各グループは、見つけた共通点の中から特に印象に残ったものや、意外だったものを共有します。 * 振り返り: ファシリテーターは、ワークを通じて感じたこと、発見があったかなどを問いかけ、参加者からの簡単な感想を促します。 * 「このワークを通じて、チームメンバーの新たな一面を発見できたでしょうか。」 * 「普段の業務では見えない共通点を見つけることで、どのような気持ちになりましたか。」 * これらの問いかけは、心理的安全性への意識を高めるきっかけとなります。

ファシリテーションのヒントと注意点

このアクティビティが適しているチームの状態や状況

結論

「共通点探し」ワークは、リモートワーク環境下においても、手軽かつ短時間で実施できる効果的なアクティビティです。このワークを通じて、チームメンバー間の親近感を育み、相互理解を深めることは、結果としてチームの心理的安全性を高め、コミュニケーションを円滑にするための重要なステップとなります。

チームのパフォーマンス向上に向けて、ぜひこのシンプルなワークを日常のミーティングや研修の冒頭に取り入れ、チームの一体感醸成に役立ててください。