協調性育むアクティビティ集

リモート環境で協調性を育む チェックイン・チェックアウト導入のすすめ

Tags: 心理的安全性, リモートワーク, チームビルディング, コミュニケーション, ファシリテーション

リモートワークが普及する中で、チーム内のコミュニケーションの質やメンバー間の心理的安全性確保が多くのチームリーダーにとって重要な課題となっています。対面での偶発的な会話が減り、情報共有が業務中心になりがちな環境では、意図的にメンバー同士がお互いを理解し、安心して発言できる場を作ることが協調性を育む鍵となります。

こうした状況で有効な手法の一つが、「チェックイン」と「チェックアウト」です。これらは会議の冒頭や終わりに短時間で実施できるシンプルながら効果的なアクティビティであり、チームの心理的安全性を高め、協調性を育むことに寄与します。

チェックイン・チェックアウトとは

チェックインとチェックアウトは、会議やセッションの開始時と終了時に、参加者一人ひとりが順番に、現在の気持ちや会議への期待、あるいは会議後の気づきや学びなどを簡単に共有する時間です。

これらは、単なるアイスブレイクとは異なり、継続的に行うことでメンバーがお互いの人間的な側面を理解し、信頼関係を構築していく土台となります。

協調性向上への効果

チェックイン・チェックアウトをチームに取り入れることは、リモート環境下での協調性育みに様々な効果をもたらします。

実施ガイド:短時間で手軽に行うには

チェックイン・チェックアウトは、特別な準備や長い時間を必要とせず、日常業務の合間や定例会議の冒頭・終了に手軽に取り入れることができます。

推奨される実施環境:

具体的な実施方法(例):

  1. 問いかけを設定する: チェックイン/チェックアウトで共有してほしいテーマを明確にします。シンプルな問いかけが適しています。
    • チェックインの問いかけ例:
      • 「今日の気分を天気で表すと?」
      • 「この会議にどのような気持ちで臨んでいますか?」
      • 「最近、個人的に興味があることは何ですか?」
      • 「今日の業務で最も楽しみにしていることは?」
    • チェックアウトの問いかけ例:
      • 「この会議/今日の業務で一番の気づきは何でしたか?」
      • 「今の気持ちを一言で表すと?」
      • 「次に活かしたいこと、持ち越すことは何ですか?」
      • 「チームに感謝したいことは?」
  2. 順番を決める: 参加者が安心して話せるよう、話す順番を事前に決めておくとスムーズです。席順、名簿順、時計回りなど、チームで合意した方法で固定するか、毎回変えるか決めます。
  3. 時間を伝える: 1人あたり何分話すか、全体で何分かけるかを事前に伝えます。時間内に収まるようファシリテーターが促します。
  4. 実施する: 順番に、設定された問いかけに対して各自が回答や共有を行います。話している人以外は、傾聴の姿勢を持ちます。
  5. ファシリテーターが締めくくる: 全員の共有が終わったら、ファシリテーターが簡単にまとめ、次のアジェンダや業務へとスムーズに移行します。

リモート環境でのファシリテーションのポイント

リモートワーク環境では、対面とは異なる工夫が求められます。

このアクティビティが適しているチームの状態

チェックイン・チェックアウトは、以下のようなチームや状況に特に有効です。

まとめ

リモートワーク環境下において、チームの協調性を育み、心理的安全性を高めるためには、意図的なコミュニケーションの機会を設けることが不可欠です。チェックイン・チェックアウトは、日常業務や会議に簡単に組み込むことができる、非常に有効な手法です。

数分間の短い時間でも、継続して実施することで、メンバー間の相互理解が深まり、安心して意見交換ができる信頼関係が構築されていきます。これは、結果としてチーム全体のパフォーマンス向上に繋がります。

まずは朝会や定例会議の冒頭に5分間だけチェックインを取り入れてみるなど、小さく始めることから試してみてはいかがでしょうか。継続的な実践を通じて、あなたのチームにポジティブな変化が生まれることを期待しています。