協調性育むアクティビティ集

チームの絆を深める「貢献のタペストリー」ワーク:リモートでも実践可能

Tags: チームビルディング, リモートワーク, 心理的安全性, 相互承認, コミュニケーション

チームのパフォーマンス向上やメンバー間のコミュニケーション円滑化は、特にリモートワーク環境下において、多くのチームリーダーが直面する課題ではないでしょうか。メンバー間の物理的な距離が離れている状況では、互いの貢献が見えにくくなり、感謝や承認の機会が減少する傾向にあります。

本記事では、このような課題に対し、チームメンバーがお互いの貢献や良い点を具体的に認め合う「貢献のタペストリー」ワークをご紹介します。短時間で手軽に実施でき、心理的安全性を高めながらチームの協調性を育むことができるアクティビティです。

「貢献のタペストリー」ワークの概要

「貢献のタペストリー」は、チームメンバーがお互いの具体的な貢献やポジティブな側面を付箋に書き出し、共有することで、チーム全体の「良い点」を視覚的に「織り上げる」ようなワークです。各メンバーが、他のメンバーからどのような貢献を認識されているかを知ることで、自己肯定感の向上や相互理解の深化を促します。

目的と期待される効果

このワークを実施する主な目的と期待される効果は以下の通りです。

推奨される人数、時間、必要な準備物

具体的な実施方法(ステップバイステップ)

オンライン環境での実施を想定し、具体的なステップをご紹介します。

  1. 目的の説明(3分)

    • ファシリテーターは、このワークの目的が「お互いの貢献や良い点を発見し、共有することで、チームの絆を深め、心理的安全性を高めること」であることを明確に伝えます。
    • 「ポジティブな側面に着目し、具体的な行動や成果に基づいて感謝や評価を伝えること」を強調します。
  2. オンラインホワイトボードの準備(2分)

    • オンラインホワイトボードツール上に、各チームメンバーの名前を中央に配置したフレームをそれぞれ作成します。
    • メンバーは各自のフレームにアクセスできることを確認します。
  3. 貢献点の書き出し(7分〜10分)

    • 各メンバーは、他のメンバー「それぞれ」に対して、その人がチームにどのような貢献をしたか、あるいはどのような良い点を持っているかを具体的に考え、付箋に書き出します。
    • 「〇〇さんの□□という行動が助けになった」「〇〇さんの△△というアイデアが素晴らしかった」「いつも〇〇さんがスムーズに物事を進めてくれる」といったように、具体的なエピソードを盛り込むことを促します。
    • 一人につき2~3枚程度を目安とします。
    • 書き出した付箋は、対象メンバーの名前が書かれたフレームの周囲に貼り付けていきます。匿名での投稿も可能ですが、発言者がわかる方がより効果的です。
  4. 内容の共有とコメント(各メンバー2分〜3分)

    • 全員が書き終えたら、一人ずつ順番に、自分の名前の周りに書かれた付箋を読み上げ、それに対する感謝やコメントを述べます。
    • ファシリテーターは、各メンバーが全員の付箋を読み上げられるよう、時間配分に注意し、発言を促します。
    • 受け取った側は、感謝の気持ちを伝えるだけでも構いません。
  5. 全体での振り返り(5分)

    • ワーク全体を振り返り、感じたことや気づきを共有します。
    • 「どのような点が印象に残ったか」「このワークを通して何を感じたか」といった問いかけを行い、心理的安全性の向上や相互理解の深化を促します。

実施上のポイントとファシリテーションのヒント

リモートワーク/オンライン環境での実施方法

オンラインホワイトボードツールは、リモートワークにおけるこのワークの実施に不可欠です。

このアクティビティが適しているチームの状態や状況

まとめ

「貢献のタペストリー」ワークは、リモートワークの課題に対し、手軽に楽しく実践できる強力なツールです。このワークを通じて、チームメンバーがお互いの存在をより深く認識し、感謝と承認の文化を育むことで、結果としてチーム全体の協調性とパフォーマンス向上に繋がるでしょう。

日々の業務の中に、このようなポジティブな相互作用を生み出す機会を意図的に設けることが、持続可能な強いチームを築くための鍵となります。ぜひ、この「貢献のタペストリー」ワークを皆様のチームに導入し、その効果を実感してください。